20231231_Alic/jaビルドガイド更新差分

はい、年の瀬も年の瀬。

ただいま大晦日コミックマーケットが終わったところですが皆様いかがお過ごしでしょうか。

 

私は国際展示場駅ドトールでこれを書いています。

 

駅に人が溢れて帰れません。

 

この空いた時間で本日販売したAlic/ja(アリシア)の
ビルドガイド差分を書くことにしました。

 

基本的には試作版のビルドガイドと

20230514_試作版Alic/jaビルドガイド - mob-gadget’s diary

更新版の記事でカバーしていますが、

20230702_Alic/jaの到着と組み上げ - mob-gadget’s diary

 


標準Enterのスタビライザーを変更しているのでその補足です。

 

 

今回、手前中央部の2U用スタビはこちらを使ってください。

トッププレート用スタビ

 

そして標準のEnter位置のスタビはこちらを使用してください。

 

プレート用スタビ(Aliexpressより拝借)

 

これはEnterキーを横長の物と、ISOの物と両方対応したための変更です。

 

なお、ISO Enterを使う場合、スタビは縦に付けて(次の写真青枠参照)、

干渉してしまう上側の「 / 」キー用ソケット(写真赤バツ)は付けないようお願いします。

 

 

 

ISO Enter利用時のスタビ位置(青枠)と付けないソケット(赤バツ

 

その他、キーマップ変更時にRemapを利用する場合は旧バージョン(次写真赤丸)を選択してください。新バージョンに対応した場合はX(Twitter)等でご連絡しますのでよろしくお願いします。

 

Remapは現時点では旧バージョンを利用

 

 

。。。おっと、そろそろ駅も空いて来たようなので移動しますね。

 

2023年もお疲れ様でした!

また来年もどうぞよろしくお願い致します。

 

 

皆様に良いキーボードライフがありますように!

 

20230702_Alic/jaの到着と組み上げ

おはこんばんちわ。

 

発注して約3週くらいで到着しました。

f:id:Agent_Y:20230702092220j:image

(箱結構デカい)

 

発注直後に発覚したミスで1週間近く伸びたので、ちゃんとオーダーしてたらもう少し早かったと思います。

 

さて開封と制作です。

f:id:Agent_Y:20230702094833j:image

上下のケースとPCB(5枚)。

 

f:id:Agent_Y:20230702095853j:image
f:id:Agent_Y:20230702095847j:image
f:id:Agent_Y:20230702095850j:image

ケースは一旦中性洗剤で洗浄。

積層痕は思ったより少ない感じでよく出来てる。

 

f:id:Agent_Y:20230702101907j:image

35cm幅と大柄なので横方向にフレームを入れています。

 

f:id:Agent_Y:20230702102107j:image

ソケットを入れるとこんな感じ。

f:id:Agent_Y:20230702102100j:image

BLE Micro Pro使う時のスライドスイッチ。

 

f:id:Agent_Y:20230702102103j:image
f:id:Agent_Y:20230702102057j:image

ISOエンターが使えるようにしていますが、隙間が空くので使う時はトップケースは別にしたほうがいいかも。

 

f:id:Agent_Y:20230702102431j:image

(M0ii040との対比)

今回は仕事用ノートPCに対応を想定して、

トラックパットを使いやすいように手前をかなり低くしています。

 

f:id:Agent_Y:20230702102718j:image

配線自体は試作版をそのまま使っているので一気にBLE Micro Proとバッテリーを設置。

ひとまずCR2032一個で運用してみます。

 

f:id:Agent_Y:20230702103429j:image

MacBookの上に載せた時。トラックパット全部使えるので良い感じ。

 

f:id:Agent_Y:20230702103132j:image

Bluetoothが7台くらい使えるのでスマホも接続できるので便利です(ただし配列は別。。。iOSなんでUSになるん。。。)

 

 

一日仕事で使って見たところ、数字キー、矢印キーが1キーで使えつつ、親指でEnter、Backspace、レイヤー切り替えができるのは大変便利です。

外見上もケースのおかげで目立たなくて良い感じ。。。個人的に仕事PC用はこれでendgame感あるな。。。

 

 

ちなみに今回のPCBとケースは送料含めて4万円くらい。

PCBはともかく、3Dプリンタのケースは数量増やしてもバリューが効かないので原価が下がらないので、PCBだけのキット作ってケースはDL販売にしようかなと検討中です。

 

その前に欲しい人がいるのかって話ですけどね。。。。(欲しい方はメール、DMくださいませ!)

 

 

それではまた!

 

20230616_Alic/jaケースリビルドと発注(PCBWay)

試作版でも設計したAlic/ja(アリシア)」のケース。

基板自体を修正するので新たに起こす事にしました。

 

ケースの修正ポイント。

1. ケーブルラインの取りやめ。

2. 角度の追加。

3. デザインの方向性変更。

4. 3Dプリントサービス利用前提の設計。

 

 

1. ケーブルラインの取りやめ。

試作版では背面のケーブルがディスプレイにかかるのを避けるため、
基板の裏側から横に配線できる様に配線ルートを作っていましたが
最終的にBLEmicroProを使うと想定して配線ルートは取りやめる事に。

 

 

2. 角度の追加。

試作版はPCの上に載せる事も考慮して低めに設計。
ディスプレイを隠さないようにしていましたが、手の小ささにより奥側のキーが押し辛かったため角度をつけることにしました。

↓5度付いています。


 

 

3. デザインの方向性の変更。

試作版は荒削りな印象を作るために、上下2ピースのケースを止めるためにネジを見える様に設置していたり、直線を多用しています。

これはこれで気に入っていますが、サイズが大柄になるなどの問題が発生します。
狭いテーブルで使う事、持ち運びも想定して
「テーブルにあって違和感のないスマートさ」を目指しました。



 

4. 3Dプリントサービス利用前提の設計。

外で使う事も想定して、外装を綺麗に出せる3Dプリント・切削サービスを前提とした設計にシフトしました。

簡単なところでは「歪み対策の実施」「歪む前提の構造にする」「オーバーハングで角度をつけない」「合わせ面で辻褄を合わせる」などです。


(個人的には「切削用の設計」の設計が一番楽だと思う)

 

上下2パーツ別々にStepファイルを作って発注に進みます。

 

 

 

さて前回も記載しましたが、今回は「基板+外装」なので両方取り扱っている
「PCBWay」(リンク)さんにお願いする事にしました。

(PCB発注画面と違って英語表記です。日本語化頑張ってほしい)

 

NC/3Dプリントのプルダウンから3D Printingを選びます。

 

設計したStepファイルをドラックして、欲しいプリントを指定していきます。
当初「樹脂(レジン)」「透明」を選んだら安い簡易見積もりが出たのでオーダーしたら、正式見積もりで上下で$1,500(日本円で20万円以上)になりました()


(材質はレジンでもナイロンでも良いと思いますが、特性をよく読んで選ぶと良いと思います)

展開図などの図面があるとネジタップやインサートネジをやってくれるらしいです。
(3Dソフトによっては展開図も簡単に作れるのでチャレンジしてみて下さい。M2ネジだとタップはあまり意味ないかもですが)

 

全てのパーツを設定したらSubmitRequestで本見積もりを依頼します。

 

前述の通り、ツールの概算見積もり金額と本見積もりの金額は大きく違う事がありますので、発注する場合は注意して下さい。

 

クリアケース作りたかったんだけどなぁ。。。

 

 

次は到着してから組み上げ記事の予定です。

続く。

 

20230614_Alic/ja基板リビルドと発注(PCBWay)

前略ソファーの上から。

 

先日設計した「JIS配列のAlice」こと「Alic/ja(アリシア)」

BLEmicroProも装備して、4端末切り替えで使ってみた所、
至極快適に使える事がわかったのでケース含めて再設計することにしました。

 

 

今回の修正ポイント

1. ISO Enter設置(排他)

2. 右手親指の位置変更

3. テント用スリットの廃止

4. BLEmicroPro用スイッチ類追加

 

 

早速Kicadを修正していきます。

1. ISO Enter設置(排他)

正直な所右手小指のキーが余っていたので「2キー」⇔「1キー」排他で
みんな大好きISO Enterを右手小指位置に設置しました。

 

2. 右手親指の位置変更

右側のブロッカーを広くするため、
2U,1U,1U → 1U,2U,1U に修正しています。
QMK自体は変えてないのでそのまま使えます。

 

3. テント用スリットの廃止

真ん中上側にある切り欠きと穴。
ここで切り離して左右のスルーホールを配線で繋げると、
中央でテントする事が出来るというギミック。 
試作用に入れてた機能なので廃止。

 

4. BLEmicroPro用スイッチ類追加


あると便利だなと設置。
フットプリントは見つからなかったので適当に作成。

 

(他は変更なしなのでぱっと見は同じ)

 

KicadでDRCを通してエラーをチェックした後は発注に進みます。


(警告は194件も出てますが)

 

 

次の投稿で記載しますが、今回の発注は3Dプリントも発注するので
PCBの他にもプリント・切削の試作もやっている「PCBWay」(リンク)さんにお願いします。


日本語で読めるのはありがたいけど直訳なので所々頭を使うHP。

 

 

さてガーバーを作ります。
チェックポイントはKiCad ver.7のデフォルトのままのはず。

出来上がったガーバーファイルはまとめてZIPにしておきます。

 

 

PCBWayサイトトップからPCBのサイズと枚数、層は上下2面であれば2層、厚みは特にこだわりなければそのままで見積もりボタンを押下。

 

仕様をチェック。
配線をギリギリに配置してたりこだわらなければ
「レジスト」「シルク」の色、「表面処理」を選択、
金額確認するくらいで「カートに追加」します。
(触るものだし「無鉛はんだ」にしているけど他の人はどうなんだろう。。)

 

次のページで圧縮したガーバーファイルを添付して注文ボタンを押下。


(初めての時はここでユーザー登録が出るはず)

 

ここまで来ると基板のレビューが始まるので、
ステータスが「支払い待ち」になるまで待ちます。
夜中に行うと時間がかるっぽいです。

(レビュー後構造によって金額が変わる事があるみたいなので注意)

 


問題なければそのまま支払いです。が、
円安のご時世クーポンが付いていたらちゃんと使いましょう!
(私はがっつり忘れてました)

 

さて、これで数日〜待機!

 


なお今回はケースも設計・発注しているので
次の記事でそちらを記載予定です。


続く。

20230514_試作版Alic/jaビルドガイド

半年に一度の更新だよ!

さて、先日「JIS配列のAlice欲しいな」って勢いで作った

試作版『Alic/ja』のビルドガイドです。

読み方はAliceのポーランド語でアリシア(アリツィア)らしいです。(異世界おじさんじゃなくてARIAね)

 

 

さて早速組んでいきましょう。

セット内容です。

PCB3枚)

ネジ(M2×18本)

spacer10mm×9本)

socket69個)

1N4148W69個)

promicro1個)

ゴム脚(適当)

スタビ(2U×3個)

作業順は

1. ダイオード設置
2. ソケット設置
3. リセットスイッチ設置
4. ProMicro設置
5. スペーサー設置
6. スイッチ設置
7. ボトムプレート設置
8. その他:REMAPで書き換え

となります。

 

道具類についてはいつものをご準備ください。

1.はんだごて一式(温度調節付きこて、耐熱マット 、電子部品用はんだ)

2.ドライバー(+の0,1番)

3.ピンセット

4.ニッパー(ProMicroの足切り

5.拡大鏡ダイオード用)

 

さて進めます。

1. ダイオード設置

同梱している表面実装のダイオード1N4148Wを使います。

←これ

これをPCBの上面下面どちらでもいいので、PCBの記号の所(下記写真参照)にハンダします。

PCB上の片方の端子にハンダを流してからダイオードをピンセットで載せて、
ハンダを温めると溶けて一旦ダイオードを固定できます。
その後反対側の端子をハンダしてあげれば完了です。

なお、方向があるので注意してください。
ダイオードのT横の縦棒と、PCB上の記号縦棒の方が同じ方向になります。

youtu.be

 

2. ソケット設置
スイッチ用のソケットを設置します。

←これ

こちらも片方の端子にハンダを乗せた後、それを溶かして固定、
反対側の端子もハンダします。

youtu.be

 

3. リセットスイッチ設置

リセットスイッチはスイッチは上下どちらでも付けられます。

youtu.be


4. ProMicro設置

同梱されている脚、もしくはコンスルーを使います。

方向はこちらです。

youtu.be ※PCBの裏側を上にしています。上下に気を付けてください。

後ろから見た位置です。

ソケットを使わない場合は飛び出たピンをニッパーで切り落としてください。


5. スペーサー設置

トッププレートの裏にスペーサーを置き、上側からねじ止めします。。

 

6. スタビ・スイッチ設置

スタビを設置します。場所はセンター2つと右側です。
左側は入りません。

表からワイヤーを入れていきます。

youtu.be

 

スイッチをはめて行きます。

スイッチの脚が折れると動かないので注意してはめて下さい。

 

7. ボトムプレート設置

裏側からボトムプレートをネジ止め、ゴム足を配置して完成です。


8. その他:REMAPで書き換え

Alic/jaはREMAPに登録してあります。

キーを変更したい場合はこちらで変更して下さい。

remap-keys.app

なお、QMKはこちらにあります。

github.com

 

またHexファイルはこちらに保管してありますので、ProMicro変更時などはこちらをDLし、qmkツールボックスなどで書き込んでください。

github.com

 

 

 

 

20221217_キーボード#2 Advent Calendar

2022年も残すところあと半月を切ったわけですが、

皆様いかがお過ごしでしょうか。

 

昨日はゆーちさんの

RP2040で自作キーボードを設計する本をC101に向けて書いてます
でしたね。

 

 

私はと言えばM0ii040とM0ii0+十の在庫に囲まれています(負債感がやばい)

と言うわけで今年新作のM0ii040の紹介して行こうと思います(あわよくば買ってね!)

 

M0ii040ってなに?

 デザイン特化した金属ケースの「可愛いキーボードM0ii0」制作から一年。

「折角永年使えそうなアルミの塊でケースを作るなら、購入者が基板を設計しやすいキーボードを作った方が添付の基板が故障しても使えていいのでは?」と思い、ケースありきの設計を開始しました。

 

 

 デザインはM0ii0をベースに、「M0ii0の兄貴分」をイメージとして余白の比率を変えてエッジの効いたデザインに。

 

 トップの傾斜角度、天板の角度自体は全て同じですが印象が変わっています。

(M0ii040←→M0ii0)



 

M0ii040で設計したポイント

1.シンプルなトレイ型

 トレイ型にする事で内側(基板の外周)を計りやすくしています。

 (KaWaii40基板の外形はGithubにUPする予定です)

 

 

2.汎用的なM2ネジ利用

   M0ii0シリーズは作りやすさとデザインのためM3ネジを多用していましたが、

   基板の設計やすさ重視で自作キーボードで一般的なM2ネジを採用しました。

 

3.ケース内の空間

 ケース内奥側に凹みを持たせて、スイッチを置く基板の裏側にProMicroの様な
 基板を置ける空間を作っています。

 

 

 

4.USBコネクタ位置の余裕

 ケース側のUSBコネクタ周辺に余裕を持たせて、USBのコネクタを通せるようにしています。ケース内側にProMicro等の基板を置いても外へ引き出す事ができます。

 

 

 

5.固有ギミック

 ネジ受けを1mm程下げて設計し、基板の高さを「下げる側」に調節できるようにしています。通常はクッションにもなるOリングを載せる事で高さの調節が可能です。

 

 

 

 

作ってみてどうか。

 設計を始めて4ヶ月。当初は「M0ii0からちょっとだけキーの多い40%を作るのってどうなんだろう」と思って手が止まったりもしましたが、いざ出来上がってみればM0ii0とはまた違うキーボードになりました。

 正直M0ii0持ってる人以外には差異がわからない「一体型40%キーボード」ですが、設計者的には満足です。

 

 今月中には頒布始められると思うので、興味がある方は手に取って頂ければ幸いです。

 

 

以上、2022年12月17日25時Additional Timeのアドカレでした。

それではまた。

 

これはM0ii040キーボードで書きました。

 

 

20220810_NumAtreus × Raspberry Pi Pico ビルドガイド3書き込み編

1番重要かつ設計者が苦手なソフトウェア編です。

(ただし、今回は強力な助っ人が参加してくださったので安心してください)

 

このキーボードはRaspberry Pi Picoを使うので書き込みはRPKやKMKを利用します。

配列を考えるのは同じですが、ProMicroに比べ書き込み作業が圧倒的に楽です。

 

ひとまずRPKを使った書き込みの流れはこちら。

  1. m.kiさんのGithub firmware_rpkから2つのファイルを取得する。
    keymap.rb
    prk_firmware-0.9.11-〜〜〜〜〜〜.uf2(バージョンで名前は変わりそう)

  2. Raspberry Pi PicoBootselボタンを押しながらPCUSB接続。

  3. ドライブとして接続されたRaspberry Pi Picoのルートに、
    ダウンロードした「prk_firmware-0.9.11-〜〜〜〜〜〜.uf2」をコピペ
  4. 再起動すると「PRKFirmware」ドライブになるので、
    そのルートに「keymap.rb」をコピペします。

  5. 再起動するとキーマップが反映されます。
    自分の好きな配列に「keymap.rb」を編集して下さい。

 

コピペで出来上がるってどういう事だってばよ。。。

なお、RPK_firmwareGithubや、今回ご協力頂いた74thさんとm.kiさんのリポジトリを参考にしていただければわかりやすいと思います。

(自分のをまだ作っていないという。。。頑張るぞう)

 

 

74thさん

twitter.com

github.com

 

m.kiさん

twitter.com

github.com

 

快く作例を作っていただいたお二方に多謝!